こんにちは、ネグです。
今回は、私がHR系会社で働き、管理職としても多くのキャリアを見てきた経験から、「転職を考える前にこそ、人材エージェントと面談すべき理由」についてお話ししたいと思います。多くの人が「転職を決めてから相談するもの」と考えているかもしれませんが、実はその前段階での面談こそが、自分のキャリアを大きく変えるきっかけになるかもしれません。
1. 「転職前提」の面談が、キャリアの棚卸しを妨げる?
「転職するぞ!」と意気込んでエージェントの門を叩くことは、もちろん悪いことではありません。しかし、そこには一つ落とし穴があるんです。それは、転職を前提に面談すると、かえって俯瞰的なキャリアの棚卸しができないことが多いという点です。
人は、目標が定まると、どうしてもその目標達成に有利な情報ばかりに目が向きがちになります。例えば「次の会社では〇〇がしたい!」と強く思っていると、これまでの経験をその「〇〇」に結びつけて語ろうとしてしまい、自分の本当の強みや、潜在的な可能性を見落としてしまうことがあるんですね。転職ありきで話を進めることで、自分のキャリアを客観的に評価する視点が抜け落ちてしまうケースを、これまでたくさん見てきました。
2. 狭まった視野を広げる、第三者との対話
多くの場合、私たちは日々の仕事や生活の中で、無意識のうちに社内などごく近いコミュニティの価値観に縛られてしまうことがあります。普段から外部のコミュニティと積極的に交流がある人は別ですが、そうでないと「世の中にはどんな仕事があるんだろう?」「自分のスキルって、他の会社でどう評価されるんだろう?」といった疑問に対する視野が、どうしても狭まってしまうんです。
そんな時に、人材エージェントという第三者と話すことは、大きなメリットをもたらします。彼らは常に市場の最新情報に触れていて、多種多様な企業の事例や、様々なキャリアパスを見ています。あなたの価値観を揺さぶり、これまで知らなかった「新しい選択肢」や「気づき」を与えてくれる可能性を秘めているんです。
3. 具体的な「気づき」で、キャリアはもっと面白くなる
転職を前提とせずエージェントと話すことで、具体的にどんな「気づき」が得られるのでしょうか?
- 第三者の事例や、似たキャリアの人の話が聞ける:「自分と同じようなキャリアの人が、どんな転職をして、どんな結果になったのか」といったリアルな事例を聞くことができます。成功例だけでなく、失敗例からも学ぶことができ、自分のキャリアプランをより具体的にイメージするのに役立ちます。
- 自分の市場価値を客観視できる: あなたの経験やスキルが、今の転職市場でどれくらいの価値があるのか、どんな業界や職種で通用するのか、具体的なフィードバックをもらえます。
- 「なぜ現職で頑張る必要があるのか」に気づける: 面談を通じて、今の会社でしか得られない経験や、まだやりきれていないことの重要性に気づくこともあります。「やっぱり今の会社でもう少し頑張ってみよう」という決断も、それはそれで素晴らしいキャリア選択なんです。
これらの情報は、単なる転職支援に留まらず、あなたのキャリアをより深く、多角的に見つめ直すための貴重な機会となるでしょう。
4. 有意義な面談のための「言語化」の準備
「転職を考えていない段階で面談する」場合、どんな準備をしていくと良いのでしょうか?もちろん、職務経歴書などがあれば、より具体的に話が進められますが、それよりも大切なことがあります。
それは、自分自身の経験を「言語化」しておくことです。
具体的には、「何をどう工夫して困難を乗り越えたのか?」そして「それは他の人にはなぜできないことなのか?」という問いに対して、自分なりの答えを用意しておくことです。
私たち自身の経験の中には、当たり前すぎて価値に気づいていない「無自覚の強み」がたくさんあります。第三者との対話を通じて、こうした当たり前を深掘りし、言語化することで、自分の本当の価値を見つけ出すことができるんです。この言語化のプロセスこそが、あなたの「考えてきたことの証明」となり、市場価値を認識させる第一歩となるでしょう。
5. 明日の仕事が「少し楽しくなる」キャリアへ
この「転職を考える前にエージェントと面談する」という行動は、最終的にあなたのキャリアにどのような良い影響を与えるのでしょうか?
それは、「明日の仕事が少し楽しくなる」ことだと私は考えています。
転職するにしても、現職に残るにしても、一度自分のキャリアを「ズームアウト」して捉えられると、日々の業務への向き合い方や、将来への見通しが大きく変わってきます。自分の現在地と可能性を客観的に知ることで、自信を持って目の前の仕事に取り組めるようになるんです。
そして、もう一つ大事なことをお伝えしたいのですが、人材紹介会社は、会社はもちろんですが、「担当のアドバイザーによって全然違う」ということも知っておいてください。もし、面談してみて「この人とは相性が合わないな」「何か違うな」と感じたら、遠慮なく「担当を変えてほしい」と伝えても大丈夫なんです。これも、あなたのキャリアを真剣に考える上で、とても大切なことですよ。
自分のキャリアは、自分自身で選択し、切り拓いていくものです。焦らず、でも着実に、一歩ずつ進んでいきましょう。
誰かの参考になれば嬉しいです。
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