こんにちは、ネグです。
今回は、私がHR系会社で働き、管理職としても多くのキャリアを見てきた経験から、「市場価値」についてお話ししたいと思います。「自分の市場価値ってどれくらいなんだろう?」「どうすればもっと市場価値を高められるんだろう?」そう考えたことがある人に、私なりの解釈と、今日からできることをお伝えできたら嬉しいです。
市場価値とは「発揮できる価値の総量」
私が考える市場価値とは、シンプルに「発揮できる価値の総量」だと捉えています。これは、どれだけ複雑な課題を解決できるか、どれだけビジネスに貢献できるか、その力の集大成だと考えています。
転職を考えているときに、年収=市場価値と思われる方も多いですが、似て非なるものかなと。
市場価値を構成する核となる要素
この「発揮できる価値の総量」を構成する核は、「スキル」と「経験」の掛け合わせです。
私が考える「スキル」の本質は、ずばり「課題解決力」です。そして、その課題解決力の中でも特に重要なのが、「問題抽出力」と「課題設定力」だと感じています。多くの人は、与えられた課題を解決する能力は持っているかもしれませんが、そもそも「何が問題なのか」を見つけ出し、「何を課題として設定すべきか」を定義できる人は、残念ながら多くありません。この上流の能力こそが、市場価値に大きな差を生む最初のポイントだと考えています。
そして「経験」は、そのスキルを実際に使って、どれだけ多くの場面で課題を解決してきたか、その実績の積み重ねです。単に長く働いたという年数だけでなく、いかに質の高い課題解決を経験してきたかが問われます。もちろん業界の経験ということもあると思いますが、それ以上に活躍できるかたは業界を選ばずに力が発揮されることが多いですよね。
コミュニケーション能力が市場価値を左右する
「スキル」と「経験」に加えて、もう一つ市場価値に大きく影響するのが「コミュニケーション能力」です。ここで言うコミュニケーション能力は、単に話すのが上手い、聞き上手というだけではありません。私が人材の現場で見てきた中で重要だと感じるのは、「相手を想像できるか」という点です。
具体的には、相手の「助詞」の使い方や「行間」にまでアンテナを張り、言葉の裏にある意図や感情、背景を汲み取ろうとすること。これができる人は、情報伝達だけでなく、信頼関係の構築やチームでの連携において、計り知れない価値を発揮します。単なる情報交換ではなく、人同士の深い理解に繋がるコミュニケーションこそが、ご自身の市場価値を一段と高める要因になるでしょう。
面接の場も限られた時間ですしね。特に転職するタイミングでは意識したいところです。
市場価値は「意識」で変化する
市場価値は、時間や年齢と共に一律に上がる、あるいは下がるというものではないと私は考えています。むしろ、変化の源は「意識」にあります。
若くして非常に高い市場価値を持つ人もいれば、ベテランになってもなかなか評価が上がらない人もいますよね。これは、経験年数ではなく、日々の業務や学び、自己成長に対してどれだけ主体的に「意識」を向けているかによる差だと感じています。常に新しい情報を取り入れ、自分のスキルを磨き、積極的に経験を積もうとする「意識」こそが、市場価値を左右する最も重要な要素なのです。
今日からできる!市場価値を高める具体的なステップ
では、今日から市場価値を高めるために、具体的に何をすれば良いのでしょうか?私が最もおすすめしたいのは、非常にシンプルだけど効果的なこの行動です。
それは、「自分の周りにいる、自分より評価されている人を見つけ、その人との“差”を見つけに行く」ことです。
ここで大切なのは、「全部が劣っている」と悲観的になる必要は全くない、ということです。ほとんどの場合、あなたより優れているのは、特定の部分だけです。例えば、
- あの人は、会議での資料作成がすごく上手いな。
- あの先輩は、初対面の人ともすぐに打ち解けているな。
- あの同僚は、難しい問題をすぐに分解して分かりやすく説明できるな。
といった具体的な「優れている部分」だけを意識して、そこに焦点を当ててみてください。
そして、その「差」が何かを理解したら、次にすべきは「自分は何ができて、どんな経験をしてきたか」を言語化する訓練です。
例えば、年収が500万円と600万円といった近しいレンジの場合、発揮している価値そのものに大きな差がないことも多々あります。業界の特性や、偶然の相性、運といった要素が影響することもあります。しかし、その中で明確な違いとして現れるのが、自分の強みや経験を「どれだけ明確に、そして説得力を持って語れるか」という言語化能力です。
私の経験上、自分のキャリアやスキルを深く理解し、それを論理的に言語化できる人は、まさに「これまで考えてきたことの証明」だと感じます。漠然とではなく、具体的に、そして自信を持って自分の価値を伝えられること。これが、自分の市場価値を他者に認識させ、チャンスを掴むための決定打になるのです。
市場価値は、誰かに与えられるものではなく、自分自身が日々高めていくものです。焦らず、一歩ずつ、今日からできることを実践して、「発揮できる価値の総量」を最大化していきましょう。
誰かの参考になれば嬉しいです。
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